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2020.Vol.13

ウィーンの籐編みチェアが返り咲く

Viennese weaving

makes a comeback

工芸は近年、デザインの重要な共犯者となっている。

 

工業大量生産品よりも真正性を好み、歴史と伝統を感じさせてくれるものを求める人が増えている。その手作業による丁寧な製作プロセスと、生産者それぞれの個性に対する愛情の深さが人々の心に響き伝わるのだ。

その評価の頂上で今、ウィーンの籐編み(ラタン)が再注目されている。かつてはコーヒーショップの椅子のカバーとしてポピュラーな素材であったが、現代のデザイナー達にとってのその活用方法は、着座用家具に限らない。

 

ラタンは、椅子の布張りとして柔軟に曲げられ、加えてその半透明性が見た目にも美しいデザインを創り出してくれる。ハニカムパターンは洗練され、かつエレガントで、まるで日本の慎ましい雰囲気を醸し出している。そんなウィーンの籐編みは、ほかの全ての流行の自然素材とも見事にマッチし、今や照明やスクリーン、キャビネットやホームアクセサリーとの組み合わせが、とても新鮮でスタイリッシュだ。

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ウィーンの籐編みは、その柔軟な特性がシートクッションの代わりとなり、エレガントさを生み出す椅子として伝統的に使用されている。©shutterstock

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ウィーンの籐編みは、この屋外用ラウンジチェアのために大型化されることで、クラシックからモダンに再解釈された。©shutterstock

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